歴史法則 2019 8 24

 かつて、米ソ冷戦時代は、
アメリカを中心とする資本主義陣営と、
ソ連を中心とする共産主義陣営で、
経済的には分断されていましたので、
両国は、心置きなく覇権をめぐる戦いを行いました。
 今は、米中貿易戦争は、
アメリカと中国の覇権争いの側面があります。
 しかし、米ソ冷戦時代と違うのは、
中国の経済が資本主義陣営に組み込まれていることです。
 たとえば、身の回りの日用品を見ると、
ひたすら「Made in China」です。
 しかも、「Made in China」のない日常生活はあり得ないでしょう。
もはや、その商品を製造する工場は、国内には存在せず、中国にあります。
 このような状況で、
米ソ冷戦時代のような米中冷戦を行うことは無理です。
 さりとて、このまま中国の台頭を傍観すれば、
アメリカの覇権は消えていくかもしれません。
 そこで、アメリカは、ボクシングで言えば、
関税という「ボディブロー」で相手を弱らせているのでしょう。
 つまり、米ソ冷戦時代のように、
「ノックダウン」を狙うことはできないということでしょう。
 しかし、こうなってしまったのは、アメリカに原因があります。
アメリカ国内の工場を閉鎖して、メキシコに工場を建てれば儲かる。
その次も、アメリカ国内の工場を閉鎖して、中国に工場を建てれば儲かる。
 このような「株価至上主義」が、
アメリカの中流階級をボディブローのように弱らせたのも事実です。
 別の言い方をすれば、これがグローバリズムの結果であり、
自由貿易の結果でもあります。
 このようなグローバリズムや自由貿易が、
一部の人だけ儲けさせたのが、
誰の目にも明白となったので、選挙をやれば、
「反グローバリズム」や「反自由貿易」が主流となります。
 今時、グローバリズムや自由貿易を主張する人は、経済的な勝ち組だけであり、
庶民から見れば、「分け前をよこせ」というのが選挙結果になるかもしれません。
 つまり、富を独占する者が多くなれば、
その後に出てくるものは、社会主義や共産主義というのが、歴史法則です。
 先に豊かになった者が貧しい人を引き上げるというのが人類の理想でしょうが、
人類史は、富の独占の繰り返しでした。

ノブレス・オブリージュ noblesse oblige 2005 3 16
 「ノブレス・オブリージュ」とは、フランス語で、
「高い身分に伴う義務」と訳されます。
 これは、権力を得て、富も享受できる者にとっての「最高の名誉」とは、
社会の発展のために、私財を投ずることであるという意味に近いかもしれません。
これが、「本当の貴族」です。
 なぜ、この言葉を思いついたのか。
それは、週末に、世相を知るために、
テレビを見たり、雑誌を見て、そう思ったのです。
 テレビや雑誌には、リッチな生活とか、セレブとか、
まるで貴族にあこがれているような特集が目立ちます。
 しかし、「貴族」と「拝金主義者」は、違います。
ノブレス・オブリージュがあってこそ、貴族と言えるのです。
ノブレス・オブリージュがない人たちは、単なる拝金主義者です。














































































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